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NISAを活用した資産形成とは?効率的に資産を増やすための方法とポイント

2025.05.16 Thu

将来に向けた資産形成の重要性が高まる中、効率的な資産形成の選択肢として注目されているのが「NISA(少額投資非課税制度)」です。2014年にスタートしたこの制度は、2024年1月から大幅に拡充され、より使いやすくなりました。本記事では、NISAを活用した資産形成の方法とポイントについて解説します。

目次

NISAとは?

NISAの基本的な仕組み

NISA(ニーサ)は、「少額投資非課税制度」の愛称です。2014年1月にスタートしたこの制度は、イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がつけられました。

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。一方で、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税になります。

2024年1月から始まった新NISA制度では、従来のNISAと比べて非課税投資枠が大幅に拡充され、運用の幅も大きく広がりました。これにより、税制上のメリットも大きくなり、より効率的に資産を増やすことが可能になりました。

新NISAの2つの投資枠(つみたて投資枠、成長投資枠)

NISA制度は2014年の開始以降、段階的に拡充されてきました。2014年に「一般NISA」が始まり、2018年1月にはより長期・積立投資に適した「つみたてNISA」が導入されました。そして2024年からの新NISA制度では、これらが統合され、一般NISAの後継として「成長投資枠」、つみたてNISAの後継として「つみたて投資枠」という名称に変わりました。

さらに、これまでは一般NISAとつみたてNISAのどちらかしか選べませんでしたが、新制度では両方を併用できるようになりました。

つみたて投資枠

•年間投資上限額: 120万円(旧制度の40万円から3倍に拡大)
•非課税保有限度額: 1,800万円
•対象商品: 長期・積立・分散投資に適した一定の要件を満たす投資信託やETF

成長投資枠

•年間投資上限額: 240万円(旧制度の120万円から2倍に拡大)
•非課税保有限度額: 1,200万円(つみたて投資枠と合算で最大1,800万円)
• 対象商品: 投資信託、ETF、株式など(一部条件あり)

NISAを活用するメリット

NISAの最大のメリットは、投資で得られた利益が非課税になることです。通常、投資による売却益や配当金には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内での取引ではこれが非課税となります。

その他にも以下のようなメリットがあります。
•非課税保有期間が無期限となり、長期投資がしやすい
•つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、投資の選択肢が広がる
•非課税保有限度額が大幅に拡大(最大1,800万円)
•売却した場合、その商品の取得価額分の非課税保有限度額が翌年以降に再利用可能

NISAで投資できる金融商品

主な投資対象

NISAでは様々な金融商品に投資することができます。主な投資対象としては以下のようなものがあります。

投資信託

投資信託とは、複数の投資家から資金を集め、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券といったさまざまな投資対象に散して投資する金融商品です。投資信託は「ファンド」とも呼ばれ、複数の投資家でお金を出し合って運用するため、少額でも投資を始められるのが特徴です。

ETF(上場投資信託)

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、例えば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数の動きに連動する運用成果を目指すものがあります。市場でリアルタイムに売買でき、一般的に信託報酬が低めです。

株式

個別企業の株式に直接投資することも可能です。ただし株式は、投資信託やETFと比べてリスクが高くなる傾向にあるため、分散投資を心がけることが重要です。

効果的なNISA活用法

つみたて投資枠の上手な使い方

新NISAのつみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した投資信託やETFに投資できます。

つみたて投資枠の主なポイント

•投資初心者の方でも少額から始めることができ、金融機関によっては100円から投資が可能
•リスクを抑えつつ資産を膨らませていくという観点では、じっくり時間をかけて資産を運用していくことも
•長期・積立・分散投資で複利効果を最大化
•分配金の再投資も自動化できる

NISAの非課税枠を最大限に活用する方法

NISAの非課税枠を最大限に活用するには、以下のような方法があります。

1.つみたて投資枠と成長投資枠の併用

つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の両方を活用することで、年間最大360万円の非課税投資が可能です。

2.投資商品の適切な選択

投資と一口に言っても、投資対象となる金融商品には、株式や債券などさまざまな種類があります。それぞれリスクとリターンが異なるため、何に投資するのかを考えることが大切です。

3.長期投資の活用

非課税保有期間が無期限化されたことを活かし、長期的な視点で投資を行うことが重要です。

4.売却時の枠の再利用を理解する

新NISAで保有している商品を売却した場合、その分の簿価金額(購入時の金額、つまり帳簿上の評価額)だけ翌年に非課税保有限度額が復活して再利用することが可能です。この仕組みを理解し活用しましょう。

5.配当金の受取方法を正しく設定する

配当金の受取方法を「株式数比例配分方式(証券会社の口座で直接受け取る方式)」にしましょう。それ以外の方法だと、配当金に税金がかかります。

NISAと確定拠出年金(iDeCo)の併用

NISAと確定拠出年金(iDeCo)は併用することも可能です。運用の目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

iDeCo

掛金が所得から控除になることや、受取り時の税制メリットもあるため、退職後の資金を貯めるという目的を達成するのには最適

NISA

いつでも引出しが可能であることから、自分自身のライフイベントに合わせて柔軟に活用できる

両制度を併用することで、短期から長期までの資産形成が可能に

NISAの注意点

NISAの年間投資限度額と非課税期間を理解しよう

新NISA制度の年間投資上限額は、成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円で、合計で360万円です。また、非課税保有限度額(生涯投資枠)は全体で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)となっています。

さらに、旧NISA制度では、一般NISAの非課税保有期間は最大5年、つみたてNISAは最大20年でしたが、2024年1月からスタートした新NISA制度では、非課税保有期間が成長投資枠・つみたて投資枠ともに無期限になります。

NISAを途中で引き出す際の注意点

NISAは非課税期間中でも自由に資金を引き出すことができますが、いくつか注意点があります。

•NISAで50万円購入した商品が2倍の100万円になった時点で20万円売却した場合、20万円の内、簿価金額は半分の10万円ですから、翌年に10万円枠が復活して再利用可能となります。
•一度引き出した非課税枠は同じ年に再利用することはできません。翌年以降に再利用可能となります。
•引き出しのタイミングは市場環境を考慮して慎重に判断する必要があります。

まとめ

2024年からの新NISA制度は、非課税投資枠の拡大や保有期間の無期限化、つみたて投資枠と成長投資枠の併用可能など、大幅に使いやすくなりました。「長期・積立・分散」の投資原則を守りながら、年間最大360万円、生涯1,800万円という非課税枠を活用することで、より効率的な資産形成が可能になります。貯蓄だけでなく投資も取り入れ、新NISA制度を活用して将来に向けた資産形成を始めてみましょう。

参考
金融庁「新しいNISAを活用した資産形成のヒント」

(引用:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html/

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