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年収500万円でもできる税金対策とは?
効果的な方法とポイントを徹底解説   

2025.05.13 Thu

少子高齢化や人口減少のあおりを受け、近年は国民の税負担が増しています。実際のところ、どのくらいの税金を納めていて、どうすれば節税できるのでしょうか。ここでは年収500万円の社会人を例に挙げ、詳しく解説していきます。

目次

年収500万円の税金事情とは?

年収500万円の人はどれだけ税金を納めている? 

年収500万円の人が納める税金には、所得税と住民税が大きく関わっています。所得税は累進課税制度で、課税所得330万円超〜695万円以下には20%の税率が適用されます。一方、住民税は所得に応じた10%の所得割と、定額5000円の均等割で構成されています。

所得税・住民税の負担イメージ

課税所得が500万円と仮定すると、所得税約57.25万円、住民税約50.5万円、合計で107.75万円と、1割以上を税金に持っていかれる計算です。加えて、健康保険料や年金保険料なども控除されるため、手取りはかなり減少します。

年収500万円のための基本的な節税方法

給与収入には給与所得控除が適用される

節税のカギは「課税所得を減らす」ことです。給与所得者には「給与所得控除」があり、年収500万円の場合は144万円が控除され、課税所得は356万円に。ここに各種の「所得控除」を適用すると、さらに課税所得を減らすことができます。

所得控除を活用して節税を行う

控除には「人的控除」と「物的控除」があり、計15種類に及びます。

人的控除例

扶養控除、配偶者控除、ひとり親控除、障害者控除など

物的控除例

医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、小規模企業共済掛金控除など

これらは、生活環境に応じて適用できるもので、結果的に課税所得を減らし、納税額を減らせる可能性があります。
所得控除の対象は多岐にわたり、労働者なら社会保険料控、除既婚者であれば配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除に該当するかもしれません。いずれにしても、15種類のうち何かが適用される可能性は高く、そうであれば控除を受け課税所得を下げることです。年収500万円の方であれば、これらを活用することで課税所得を大幅に軽減できるかもしれません。

住宅購入者は住宅ローン控除の申請を忘れずに

所所得控除とは別に、計算された税額から直接控除できる「税額控除」もあります。代表的なのが住宅ローン控除です。この制度では、一定の要件を満たす住宅ローンの残高に応じて、最大13年間、年末残高の0.7%が所得税から差し引かれます。さらに所得税で控除しきれない場合は住民税からも一部控除されます。

ふるさと納税は節税と節約を両立

税制上の制度を使い以外にも、自主的に節税できる方法もあります。その1つが「ふるさと納税」です。ふるさと納税は寄附という形で自治体にお金を送り、所得税・住民税から控除を受ける仕組み。2000円の自己負担で、特産品などの返礼品も受け取れるため、実質的には節税+節約にもつながります。

年収500万円の場合の控除上限目安
•独身/共働き:6.1万円
•夫婦のみ:4.9万円
•子どもがいる家庭:2.8万~4.9万円(人数や年齢により変動)

ワンストップ特例制度を活用すれば、確定申告不要で手続きも簡単です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用した節税

iDeCoは毎月の掛金が全額所得控除対象になり、運用益も非課税。60歳まで原則引き出せない制限はあるものの、将来の資産形成をしながら節税できる制度です。掛金上限は加入状況により異なりますが、税制上の優遇は非常に大きいです。
受取時にも、年金として受け取れば公的年金控除、一時金で受け取れば退職所得控除の対象となるため、出口でも節税が可能です。

NISA(少額投資非課税制度)を活用した節税

投資の利益に通常かかる20.315%の税金が非課税になる制度。特に2024年から新NISA制度が始まり、非課税投資枠が大幅に拡大されたことで、長期的な資産形成を行いやすくなっています。

•つみたて投資枠:年間120万円まで
•成長投資枠:年間240万円まで

NISAはiDeCoと異なり、資金の引き出し制限がないため流動性も高く、幅広い層にとって使いやすい制度です。

税理士に相談すべきケースとは?

控除を受けるためには手続きが必要なことも

節税策は自力で実践可能なものも多いですが、不動産投資など複雑なケースでは税理士のサポートが有効です。特に減価償却や賃料収入の管理を伴う場合、素人には難しい処理が求められます。ミスによるペナルティのリスクもあるため、専門家に任せることで安心と効率が得られます。また、税理士に依頼することで税務調査への対応や、資産形成に関する助言も受けられるため、コスト以上の価値があります。いずれも公的な制度ですから、使えるものは積極的に取り入れていくべきでしょう。
ただし、各種控除を受けるには手続きが必須です。会社員は年末調整で多くの控除が反映されますが、必要書類は自身で準備し、勤務先に提出する必要があります。例えば、iDeCo加入者は掛金払込証明書、住宅ローン控除2年目以降は借入金残高証明書が必要です。一方、自営業者などは確定申告が必要で、特に青色申告では最大65万円の控除が受けられる可能性があります。

給与所得者であっても控除によっては確定申告が必要

年末調整の対象でも、医療費控除や寄附金控除、雑損控除を受ける場合は確定申告が必要です。ふるさと納税も5団体を超えると確定申告が必要で、住宅ローン控除も初年度は申告が求められます。マイナンバーカードとマイナポータルを連携すれば手続きが簡素化されるので、事前に準備しておくと安心です。

税金対策を実践するための準備

税金対策を早期に計画する重要性

重い税負担を回避するには、早期に対策を講じ行動に移すしかありません。まずは、自分自身がどういった控除を活用できるか確かめ、iDeCoやNISAといった税制優遇の制度も取り入れることです。また、資産運用は長期で取り組めば取り組むほど投資のリスクを抑えることができ、リターンも大きくなる傾向があります。将来のライフプラン、マネープランとも照らし合わせたうえで「いつまでに」「どれくらいの資産」が必要か把握し、ゴールにたどり着くために節税や資産運用を活用しましょう。

年間の支出・所得の見直しも忘れずに

税負担を抑えるには「収入を減らす」「支出(経費)を増やす」「控除の活用」の3点がポイントです。ただし、収入を減らすと手取りも減るので、得策とは言えません。現実的には支出を増やすことになりますが、会社員の場合は給与所得控除が決まっているので、できることは限られます。最終的には控除の活用がポイントになりますが、控除を適用するため出費を増やしても、控除の上限を超えてしまうと本末転倒です。コストに対するパフォーマンスを事前に確かめた上で実践することも忘れないでください。

まとめ

年収500万円の人の税負担は収入に対して重く、日常生活にも支障をきたす可能性があります。ただし、控除をはじめとする節税は実践しやすく、これにより課税所得を大幅に引き下げることが可能です。できることから始めましょう。

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