給料は増えず金利だけ上がる超インフレ時代、家を買うべきか、待つべきか?
――厚労省×日銀データで解説する“いまの住宅ローン環境”
物価は上がり続けるのに、給料は伸びない――さらに金利までじわじわ上昇し、「家を買うべきか」「待つべきか」誰もが判断に悩む時代になりました。
厚生労働省「毎月勤労統計調査」と日本銀行「マネタリーベース統計」の最新データを見ると、“実質賃金マイナス”と“金利上昇”というダブルパンチが、家計をじわりと圧迫している実態が浮き彫りになります。
本記事では、「給料の伸び」「物価」「金利」という3つのデータ軸から、いま住宅購入を検討すべきなのか、それとも待つべきなのか――生活者が最も知りたい“住宅ローンの判断基準”をわかりやすく解説します。
実質賃金はなぜ下がり続けるのか?――厚労省データから読む“家計の現実”
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、2025年に入っても実質賃金はマイナス圏を脱していません。名目賃金はゆるやかに増えているものの、物価上昇がそれ以上のスピードで進んでいるため、結果として“使えるお金”は減り続けている状況です。
とくに負担感が大きいのは、食料品・日用品・電気料金といった「毎日の暮らしに直結する支出」です。こうした固定費の増加は、ボーナスや給与増よりも早いペースで家計を圧迫しており、「家を買う余裕なんてない」と感じる世帯が増えるのも当然といえます。
実質賃金の低下は、住宅購入判断だけでなく、老後資金づくり・教育資金の準備などにも影響するため、家計全体の戦略を見直す必要があります。
実質賃金については下記の記事も参考にしてください。
物価上昇 × 金利上昇の“Wインフレ”時代――日銀データで読み解く
次に、日本銀行「マネタリーベース統計」から金融環境を見てみましょう。
2024年以降、長期金利は上昇基調にあり、住宅ローン金利も金融機関によっては0.1〜0.3%ほど上がるケースが出てきました。短期的には据え置きでも、中長期では“じわじわ上がる”流れが続いています。
この「物価も上がり、金利も上がる」という状態こそ、いま私たちが直面している“Wインフレ”の正体です。
物価上昇は日々の生活費を押し上げ、金利上昇はローンの総返済額を膨らませる。ダブルで家計に負担がのしかかる構図ができあがっています。
とくに住宅購入は金額が大きいため、金利0.1%の変動でも将来の負担は大きく変わります。こうした背景から、「買うべきか」「待つべきか」を判断する難しさが増しているのです。
物価と金利の上昇が「不動産価格」にどう影響するかは、以下の記事が参考になります。
住宅ローン金利はどこまで上がる?――固定・変動の今後を展望する
金利の行方は、日本銀行の政策に大きく左右されます。
急激な利上げの可能性は低いものの、物価安定の見通しが立たないかぎり、緩やかな上昇トレンドが続くと考えるのが自然です。
では、固定金利と変動金利のどちらが有利なのでしょうか? それぞれの特徴を見てみましょう。
●固定金利
金利上昇リスクを避けたい人向け。毎月の返済額が変わらないため、家計の見通しが立てやすいのが最大のメリットです。
●変動金利
短期的には固定よりも低金利。とはいえ、将来の利上げが返済額に影響する可能性は高く、リスクを把握したうえで選ぶ必要があります。
金利の選び方については、下記の記事も参考にしてください。
また、金利に連動して不動産価格がどう動くかも重要な判断材料です。近年は“地価が下がらない地域”も増えており、投資目的ではなく「住むために買う」層こそ、適切なタイミングを見極める必要があります。
地域別の価格差や賃料の傾向については、以下の記事も併せて読むと理解が深まります。
金利が上がる時代に、家は買うべきか?“待つべきか?”――判断軸はこの3つ
結論からいえば、住宅購入は“勢い”ではなく“データ”で判断する必要があります。
以下の3つが、最も重要な判断材料になります。
① 家計の余力
実質賃金が下がる今こそ、冷静な家計分析が不可欠です。
固定費の見直し、教育費のピーク、老後資金の準備――これらを踏まえて、35年間の返済に耐えられるかどうかを検討しましょう。
家計改善の基礎については、以下の記事も役立ちます。
② 金利の影響度
金利が0.5%上昇するだけで、35年ローン総返済額は数百万円単位で変わります。
将来のライフイベント(転職・出産・老後資金)を考えると、金利リスクをどこまで許容できるかは重要です。
また、金利上昇局面では、“他の資産との比較”を通じて判断軸を持つことも大切です。
③ “借り換え”という選択肢
金利が高止まりしていても、将来低金利に戻る可能性があります。
購入後に借り換えることで返済負担を抑えられるケースがあるため、「買ったら終わり」ではなく“買ってからどうするか”も判断材料にできます。
住宅ローンの考え方については、下記の記事も参考にしてください。
まとめ――“買うべきか・待つべきか”はデータで判断する時代!
給料は伸びず、物価と金利が上がる――この状況だけを見ると「今は買うべきではない」と感じるかもしれません。
しかし、
・金利は短期的に大幅には上がりにくい
・不動産価格は地域によってはまだ上昇中
・借り換えで負担を調整できる可能性もある
など、複合的に考えると“今すぐ待つべき”とも言い切れません。
不動産は人生のなかでも大きな買い物です。
だからこそ、感情ではなく“データで判断”すること。これが2025年の住宅購入において最も重要なポイントです。
焦らず、家計・金利・物価の動きを照らし合わせながら、最適なタイミングを見極めていきましょう。
(参照:厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)」)
(参照:日本銀行「マネタリーベース」)
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