働く30代の資産形成に役立つ
情報発信メディア

金に長期投資するメリットとは?
初心者でもわかる運用の基本とメリット・リスク

2025.06.30 Thu

世界経済や情勢の先行きが不透明ななか、金(ゴールド)への長期投資が注目を集めています。それを示すかのように、金価格は最高値を更新し続けています。金は多くの投資家にとって安定性・信頼性の高いアセットとして認識されており、特にインフレや地政学リスクが高まる局面では実物資産としての価値も認められています。ここでは、金の長期投資が注目される背景やメリット・リスクについて解説します。

目次

なぜ今「金の長期投資」なのか?

金(ゴールド)は実物資産としての価値を持つ

金は株式や債券などと異なる実物資産であり、それ自体に価値があるのが大きな違いです。古くから認められており、その価値は世界共通であるのも特徴。金は一度も無価値になったことがなく、どの時代・どの国においても共通の価値基準をもたらしています。
例えば、預貯金・株式・債券といったペーパーアセット(紙の資産)の価値は、発行体の信用・業績に 左右されます。よって、世界経済が好調なら価値は上昇しやすく、不調なら下落しやすい傾向があります。一方で実物資産は物理的価値に裏打ちされた存在なので、紙の資産の下落時に強さを発揮し価値が上昇するのです。インフレ時に通貨の価値が下がった場合も同様です。こうした特徴を備えることから、金は中長期的に資産の目減りをカバーする役割を担うといえるでしょう。

金価格の長期的な推移と安定性

金価格は短期的に見ると上下するものの、長期的には安定して右肩上がりを続けています。例えば、2000年代初頭に1トロイオンス200ドル台だった金は、2020年代になると1500~2000ドルで推移するようになり、2024年以降は急上昇し2025年5月には3000ドルを超えました。円建て価格も同様で、2000年代初頭は1グラム当たり1000円台だったのが2020年には6000円前後、2025年5月には15000円につけそうな勢いです。株式のように企業業績や経済に左右されにくく、リーマンショックやコロナ禍といった世界的な経済危機の際も金は安全資産として買われ、価格の安定・上昇を描いてきました。長期的に見ると暴落することなく、その価値を維持しており、信頼できる資産として注目を集めています。

世界的な経済・地政学リスクへの備え

金への長期投資が注目される理由として、国際的な経済不安や地政学リスクへの備えも指摘されています。アメリカではトランプ大統領の各種施策によるドルの信用不安やインフレ、さらには債務問題があり、世界的な物価上昇、さらにはウクライナや中東などの地政学的緊張懸念されています。これに伴い安全資産としての金の需要が高まっているのです。金はどの国の通貨にも依存せず、不況、災害、戦争といった局面でも価値を失わない資産として、富の避難先になりやすいからです。

金に長期投資するメリット

インフレ対策になる

円やドルといった法定通貨の価値は中央銀行の金融政策により左右され、インフレが進行すると現金の価値は目減りします。対して金の価値は相対的に保たれるため、資産価値維持が期待できるのです。金そのものに価値の上限はなく、市場での需給で価格は決まります。法定通貨のように価値下落のリスクを回避するのに、金は価値保全の手段として有効です。

ポートフォリオの安定化

金は株式や債券と異なる値動きを形成するため、ポートフォリオに組み込むことで、全体的なリスクを分散できます。例えば、株価が急落する場面では金価格が上昇することがあり、お互いが補完し合うことで資産全体のリスクを軽減するのです。分散投資は資産運用の基本であり、金を加えることは効果的といえるでしょう。

長期保有で価格変動リスクを平準化

短期的な価格変動はあるものの、長期保有でリスクを抑えることは可能です。例えば、毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」を用いると、価格の高い時は少なく、安いときは多くを買うので、平均取得単価を抑えることができます。投資を始めるタイミングを見定める必要もありません。短期的な価格変動に一喜一憂することなく長期視点で少しずつ買い続けることで、リスクを抑えながらリターンを最大化できるのもメリットです。

金に長期投資するリスク・注意点

価格変動リスク

金価格は市場の需給金利、為替レートなどさまざまな要因を受けて変動します。長期的には上昇していますが、短期的には価格が下落するリスクはつねにあります。また、日本から金に投資する場合は、金はドル建てで取引されているため、円換算した場合に為替レートの影響を受けます。円高が進むと、円建ての金価格が下落する可能性があります。

インカムゲインがない

株式には配当、債券には利息が付く一方で、金はインカムゲインを生みだしません。長期で保有しても収入は期待できず、あくまでも資産保全やキャピタルゲインを狙うものだと理解する必要があります。

保管リスク

金の現物投資の場合、保管場所を用意する必要があり、銀行の貸金庫などはコストを負担しないといけません。盗難・紛失リスクとも背中合わせで、対策を講じるのが前提です。

金投資の方法と特徴

現物(金地金・コイン)

金地金や金貨など、金そのものに投資します。目に見える安心感と所有欲を満たすのが特徴です。一般的には自宅や銀行の貸金庫などで保管しますが、先述したコストや盗難・紛失リスクがあり、売買時には手数料もかかります。

純金積立

貴金属メーカーや地金商、証券会社などを通じて、毎月一定額を積み立て買い付ける方法です。数千円など少額から始められるのが魅力といえます。ドルコスト平均法が適用されるので価格変動のリスクを軽減できるのもポイントです。投資の初心者や毎月の余剰資金を効率的に運用したい人に向いています。

金関連銘柄・先物

金鉱山を保有する企業の株式や金価格に連動する先物に投資する方法です。こちらも間接的な投資で、保管するリスクを負わずにすみます。配当や株主優待がある銘柄であれば、インカムゲインの獲得も可能です。ただし、先物取引はレバレッジを効かせられますが、予想に反した価格変動があると大きな損失を被るリスクも。投機性が高く、投資の上級者向けの手法です。

まとめ

金への長期投資は、資産保全と分散投資によるリスクヘッジ、キャピタルゲインへの期待を兼ね備えた資産運用の手段です。株式や債券など異なる値動きを形成する資産とともに持つことで、経済不安やインフレに対するヘッジの役割を果たします。現物や積立、ETF、投資信託など唐牛方法も幅広く、自分に合ったスタイルで始められるのも魅力です。先行き不安な未来に備える意味でも、いまから始めてはいかがでしょうか。

RANKING アクセスランキング

RECOMMEND おすすめの記事