2025年分の確定申告に向けて「今からやること」――副業・不動産の税金を事前準備でラクにしておこう!
2025年(令和7年)分の確定申告の申告書受付期間は、2026年2月16日から3月16日までです。
「年が明けてから考えればいい」「2月に入ってから準備すれば間に合う」と思っている人も多いかもしれません。
しかし近年は、副業や不動産投資など、本業以外の収入を得る人が増えています。申告内容が複雑になるほど、直前になって慌てると記入ミスや申告漏れが起きやすくなります。
確定申告で損をしないためには、年内からの準備が重要です。
本記事では、副業収入や不動産所得があり、確定申告が必要になる可能性がある人を対象に、「今からやっておくべきこと」を実務目線で整理します。
副業・不動産投資で確定申告が必要な人の条件とは?
まずは「確定申告が必要かどうか」を把握する
最初に確認すべきなのは、「自分は確定申告が必要なのかどうか」です。
会社員(給与所得者)で、勤務先で年末調整を受けている場合でも、次のいずれかに当てはまると確定申告が必要になります。
・給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超える
・年間の給与収入(額面)が2,000万円を超える
・複数の勤務先から給与を受け取り、副業先で年末調整をしていない など
ここで注意したいのが、「20万円」は収入(売上)ではなく「所得」である点。
所得とは、収入から必要経費を差し引いた後の金額を指します。たとえば、副業収入が30万円でも、必要経費が15万円かかっていれば所得は15万円となり、確定申告は不要です。
一方、不動産投資で家賃収入などの「不動産所得」がある場合は、原則として確定申告が必要になります。
所得がプラスであれば、所得税・住民税を納めるために申告が必要ですし、赤字であっても、給与所得などと損益通算することで税金が還付されるケースがあります。
副業の場合は「所得20万円」がひとつの目安、不動産投資をしている場合は「基本的に必要」と考えておくとよいでしょう。
副業や不動産投資を始めると、「どこからが申告対象なのか」「税金はどれくらいかかるのか」が分かりにくくなりがちです。不動産所得の税金の仕組みや、申告時に注意すべきポイントについては、次の記事でより詳しく整理しています。
参照:「【2025年版】不動産投資の税金完全ガイド!購入・運用・売却・相続まで“節税の仕組み”をやさしく解説」
経費計上・家事按分の「よくある勘違い」とは?
経費計上の基本的な考え方
確定申告で税額に大きく影響するのが「必要経費」の扱いです。
特に副業や不動産所得では、プライベート支出との線引きが曖昧になりやすく、税務調査でも確認されやすいポイントになります。
経費として認められるのは、「事業の遂行に直接かつ必要な支出」に限られます。
具体的には、次のようなものが該当します。
・事業に関連する旅費交通費、通信費
・書籍代、セミナー参加費
・消耗品費、広告宣伝費
・不動産投資における管理費、修繕費、固定資産税 など
一方で、スーツ代やコンタクトレンズ代など、日常生活でも使用するものは、たとえ仕事で使う場面があっても原則として経費にはできません。
また、ジムの会費などを「福利厚生費」として計上しようとするケースもありますが、個人事業主や家族従業員のみの場合は認められないことがほとんどです。
「仕事に関係している気がする」ではなく、「客観的に説明できるか」が重要になります。
家事按分の正しい考え方
家事按分とは、事業と私生活の両方で使用する費用を、合理的な基準で分け、事業分のみを経費として計上する方法です。
自宅で副業をしている場合、家賃や水道光熱費、通信費など、生活費と事業費が混在する支出が発生します。これらの一部を経費にできれば、所得を抑える効果が期待できます。
ただし、「なんとなく半分」といった按分はおすすめできません。床面積や使用時間など、客観的に説明できる基準をもとに割合を決めることが大切です。
たとえば家賃であれば、全体の床面積のうち仕事部屋が占める割合が20%なら、経費として計上できるのは家賃の20%まで。
水道光熱費や通信費についても、使用状況に応じた按分が必要です。
12月のうちに、按分割合とその根拠を整理し、間取り図や使用時間のメモなどを残しておくと、申告時に慌てずに済みます。
不動産所得における経費の注意点
不動産所得で特に注意したいのが「減価償却費」。
建物の購入費用は一度に経費にできず、法定耐用年数に応じて、毎年少しずつ経費計上します。
実際の支出を伴わないにもかかわらず経費にできるため、不動産投資における節税効果は大きい項目です。
一方で、ローン返済については、経費になるのは利息部分のみで、元金部分は経費にならない点にも注意が必要です。
経費の判断に迷う場合は、早めに税理士などの専門家に確認すると安心です。
経費や家事按分は、正しく行えば節税効果がある一方で、やり方を間違えるとトラブルの原因にもなります。「どこまでが節税で、どこからがNGなのか」という境界線については、次の記事も参考になります。
参照:「節税と脱税の違いとは? 法的な境界線と正しい節税対策を解説」

12月のうちに整理しておくべき書類は?
収入に関する書類
確定申告直前に慌てる原因の多くは、「書類がそろっていない」こと。12月のうちに、収入関係の書類を整理しておきましょう。
・源泉徴収票
・支払調書
・不動産の年間収支報告書 など
副業の場合は取引先、不動産投資の場合は管理会社などから入手します。
経費に関する書類
副業や不動産投資で使用した経費の領収書・レシートを整理します。
家賃や光熱費などは、銀行口座やクレジットカードの明細もあわせて保管しておくと便利です。
控除に関する書類
医療費控除などを併せて申告する場合は、医療費の領収書や医療費通知書を準備します。
マイナポータルと連携しておくと、控除情報を自動取得できる場合もあるため、早めに設定しておきましょう。
確定申告で損をしないための早期準備術!
収支をざっくり把握する
早めに準備する最大のメリットは、「全体像を把握できる」ことです。
売上と経費を大まかに集計し、黒字か赤字か、税金が増えそうか減りそうかの見通しを立てましょう。
会計ソフト・アプリを活用する
12月中に、会計ソフトへ領収書や通帳明細の入力を進めておくと、年明けの作業が格段に楽になります。
銀行口座やクレジットカードと連携できるサービスを使えば、入力の手間も軽減できます。
家事按分の割合を決めて記録する
家事按分が必要な支出については、按分割合と計算根拠をあらかじめ決め、メモとして残しておきましょう。
後から説明できる状態にしておくことで、税務調査への備えにもなります。
不安があれば税理士相談も選択肢に
副業や不動産投資の規模が大きくなってきた場合は、税理士へのスポット相談も有効です。
12月は比較的予約が取りやすく、落ち着いて相談できる時期でもあります。
確定申告で「準備不足だった」と後悔する人の多くは、書類整理が後回しになっています。年末から動くことで、申告をスムーズに進め、節税につなげる考え方は次の記事でも詳しく解説しています。
参照:「知らなきゃ損!サラリーマンのための確定申告で賢く節税する方法」
まとめ
副業や不動産投資をしている人にとって、確定申告の準備は「年明けから」ではなく「12月から」が理想です。
早めに動くことで、ミスや申告漏れを防ぎ、安心して確定申告を迎えられます。 まずは、確定申告が必要かどうかの確認から始め、経費整理や家事按分の整理、書類準備に取り掛かりましょう。
確定申告や節税は、一度きりの作業ではなく、長期的な資産形成とセットで考える、「税金を払う」視点だけでなく、「お金をどう残すか」という視点を持つことが大切です。
参照:「安定収入+副業で資産倍増!サラリーマンが実践すべき資産形成の秘訣」
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