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金投資のメリットとは?
初心者にもわかる実物資産の魅力とリスクのバランス

2025.06.30 Thu

世界共通の実物資産と知られる金(ゴールド)。ニュースなどでも金価格の動向を目にしますが、資産運用にも活用されています。しかしながら、実際に投資するとしたら、どういったメリットやリスクがあるのでしょうか。この記事では金投資の基礎からメリット・デメリットについて解説します。

目次

金(ゴールド)投資とは?

金の基本的な特徴

金は長い歴史の中で、それ自体に価値がある「実物資産」として認められ世界中で取引されてきました。これまで一度も無価値になったことはありません。預貯金や株式、債券などは発行体の信用あるいは業績により価値が決まるのと、これが大きな違いです。国境を越えて通用する普遍的な資産であり、世界中の中央銀行や投資家が保有しています。

また、金は地球上に存在する埋蔵量が限られており、採掘量にも限界があります。一方、宝飾品はもちろん現在は工業にも活用されており、希少性は高く長期的に価値は安定しやすいとされています。

金投資の代表的な方法

金に投資する方法は複数あり、投資スタイルや目的に応じて選びます。基本的には金を購入して売却したときの差益が利益になりますが、代表的な手法は以下の通りです。

現物(金地金・コイン)

金そのものを購入する方法です。貴金属メーカーや地金商が製造・販売しており、店舗や電話、インターネットを通じて、予算に合ったサイズの金を購入できます。特別なデザインが施されているコインは加工費をはじめとする諸経費や枚数などの制限があることから金地金の店頭小売価格より割高なケースもあるようです。こちらもデザインや大きさと予算を照らし合わせ選びます。実物を持つ安心感がある一方で、保管場所や盗難対策、売却時の手数料など注意が必要です。

純金積立

毎月一定額を積み立て、コツコツ金を購入する方法で、貴金属メーカーや地金商、証券会社などが取り扱っています。予算にあった分だけを積み立てられるので預貯金感覚、かつ少額から始められるのもメリットです。価格変動のリスクを平準化する「ドルコスト平均法」の効果も期待できます。

金ETF、投資信託金積立

金の価格に連動するETF(上場投資信託)や投資信託を通じて、間接的に金に投資する方法です。証券会社などで扱っており、最低投資金額も数百円など手軽に始められます。現物を保有するわけではありませんが、価格変動を反映するため金の値上がり益を狙うことが可能です。

金関連株、先物取引

金鉱山会社など、株式市場には金関連の株式がいくつも上場しています。こういった銘柄を売買するのも、金投資の手法のひとつです。金価格と株価が連動する傾向があります。

あらかじめ決めた日に決められた価格で金を売買する金先物取引はレバレッジをかけられるため、短期で大きな利益を狙うことも可能です。ただし投機的な面が強く、大きな損失につながる恐れもあるので、投資の初心者にはおすすめできません。

金投資のメリット

世界中で価値が認められる普遍性

価値や希少性の高さから、金は存在そのものに価値があります。株式や債券のように企業・国の業績や情勢で価値が上下するといったリスクとは無縁です。例えば、上場企業の株式は会社が倒産すると無価値になりますが、現物である金は無価値になることがありません。

また、金は「無国籍通貨」と呼ばれるほど国際的な価値が認められており、どこの国でも同じように価値が認められているので、世界中のどこでも取引が可能です。国や通貨の信用に依存しないため国際分散投資の一環としても有効でしょう。世界の市場で換金できるのも特徴です。

インフレや通貨下落への備えになる

金はインフレ(物価上昇)に強い資産とされています。貨幣の価値が下がっても、金は現物資産として価値を維持しやすく、むしろ相対的に価値が上がる傾向にあります。災害時や戦争時など国の情勢が不安定になると通貨も信認を失い下落しますが、価値が担保されている金の価格は反対に上がる傾向が見られます。

有事・不況時に強い安全資産

戦争・紛争・政情不安など地政学的リスクや経済危機・金融不安などが高まると、株式や通貨の価値が下落する一方で、安全資産である金に資金が集まりやすくなります。これが「有事の金」と呼ばれる理由です。実際のところ、リーマンショックやコロナショックなどの経済混乱期には金価格が上昇しました。有事や不況に強く、将来の不確実性に備える手段としても金は機能します。

資産の分散効果が高い

金は株式や債券と異なる値動きをする傾向があり、相関性は低いとされています。そのため、資産ポートフォリオに加えることでリスク分散になり、安全性を高める効果が期待できます。とりわけ長期的な資産形成においては、複数の異なる資産クラスを保有することがリスクヘッジに直結します。

長期保有で価格の安定性が期待できる

短期的には金価格も上下に変動しますが、長期的には価値が上昇しており、近年は最高値を更新し続けています。数十年単位で見るとインフレや通貨の動向に関係なく、金の価格は持続的に上昇しているのです。そのため、長期保有を前提とした投資として金は安定した資産といえるでしょう。

金投資のデメリットと注意点

価格変動リスクはゼロではない

金は安定した資産と言われますが、価格変動がないわけではありません。短期的には投機的な売買や経済指標などにより大きく動きます。購入時の価格が担保されているわけでもなく、購入時価格を割ることもあります。ただし、一時的な下落で慌てて売却するのではなく、長期的な視点で保有することです。また、金は国際的に取引されており価格は米ドルで表示するので、日本で取引する際は為替レートの影響も受けることも忘れてはなりません。

配当や利子はない

株式のように配当が出たり、債券のように利子が付くことはありません。金はキャピタルゲイン(値上がり益)を目的とした資産であり、インカムゲイン(収入)を求める投資とは性質が異なります。

保管や管理のコストがかかることとも

現物の金を保有する場合、自宅保管では盗難リスクがあり、貸金庫といった安全性の高い保管サービスを利用するのが一般的です。その際は保管コストがかかります。売買にはスプレッドや手数料がかかることもあり、投資信託であれば信託報酬なども負担しないといけません。保有・管理にコストがかかることにも注意しましょう。

まとめ

金投資は、インフレ対策や有事の備え、資産分散の観点から非常に有効な手段です。世界中で普遍的な価値を持ち、長期的にも安定した成長が期待でき、守りの資産としての役割を果たします。

一方で、金は利息や配当を生まず、価格変動リスクや保管コストといったデメリットも生じます。投資を検討する際は、こうした特徴を十分に理解したうえで、自分の資産状況や目的に合った形で活用することが望ましいです。

初心者であれば、まずは純金積立など少額からスタートできる商品があり、資産運用の第一歩としても適しています。金を「長期的な資産保全」として活用し、安定した資産形成を目指しましょう。

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