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不動産投資の節税効果とは?

2025.02.28 Thu

不労所得を得られる代表的な方法として知られる不動産投資。しかし「不動産投資には節税効果もある」という話も聞いたことがあるのではないでしょうか。そこで実際に節税効果があるのかなどをわかりやすく解説します。

目次

不動産投資で節税できる
税金の種類

結論からいうと不動産投資で節税することは可能です。具体的には以下の4種類の税金の負担を軽減することができます。

所得税・住民税

所得税と住民税は、その年の所得額に対して課税されます。住民税の税率は一律ですが、所得税については所得が多いほど税率が高くなる累進課税となっています。そのため所得の多い人ほど不動産投資の節税効果が期待できます。

個人の所得税・住民税率一覧
課税所得 税率
所得 住民 合計
195万円以下 5% 10% 15%
330万円以下 10% 20%
695万円以下 20% 30%
900万円以下 23% 33%
1,800万円以下 33% 43%
4,000万円以下 40% 50%
4,000万円超 45% 55%
  • ※住民税の税率は自治体によって異なる場合がある

(引用:https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/tax-savings

贈与税・相続税

贈与税は生前に財産を親族などに贈与した場合に財産の相続税評価額に応じて課せられる税金です。相続税は相続した財産の評価額に応じて課せられる税金です。現金や預貯金は、その金額がそのまま評価額になります。一方で土地など不動産の相続税評価額は、特別な算出方法となっており、時価額が同額の現金よりも低くなるのが一般的です。たとえば1億円の現金は、そのまま1億円で評価されますが、時価1億円の宅地は8,000万円程度で評価されることが多く、その場合は現金よりも2,000万円分の節税効果があります。

節税できる仕組み
(スキーム)

不動産投資が節税につながるおもな理由は2つあります。それは損益通算と減価償却が可能だということです。

損益通算

損益通算とは、同一年度内で発生した利益と損失を合算することです。たとえばサラリーマンが株式投資で損失を出した場合、その分を給与から差し引くことはできません。したがって、所得税と住民税は給与額に応じて納めることになります。ところが不動産投資の場合は損益通算ができるので、損失が出た場合は給与から差し引き、その額によって納税額が決まります。

減価償却

減価償却とは、設備投資などの費用を1度に計上することなく、複数年に分けて行う会計処理のことです。その理由は、大きな設備投資をした際、1度に計上してしまうとその年の決算が大赤字になってしまうからです。たとえば、年間の利益が1,000万円の会社が5,000万円の設備投資を行ったとします。この全額を購入した年に計上してしまうと、その年は4,000万円の大赤字になってしまいます。そこで仮に10年に分割して計上できる減価償却を利用できるのであれば、年間500万円の利益を確保できるというわけです。不動産の場合、建物とその付帯設備については時間の経過とともに価値が下がっていくことから減価償却資産と見なされます。実際はローンなどによって費用を支払っているものの、減価償却によって数年にわたって経費計上できるのです。これは会計処理上のことなので、毎年手元からお金が出ていくわけではありません。

不動産投資の場合は、この損益通算と減価償却を組み合わせることで節税効果を生み出します。たとえばあなたが課税所得1,000万円のサラリーマンだったとします。これが不動産投資の減価償却を行うことで会計上200万円の赤字を出したとすると、損益通算によって課税所得が800万円になります。さらに所得税の税率は33%から23%に下がります。

なお、不動産投資が軌道に乗ってきたら法人化による節税も視野に入ります。所得税の場合、通年の課税所得が900万円を超えると税率は33%になります。一方で法人税の上限は23.2%なので、法人化による節税効果を得られます。

不動産投資で
節税するときに
選ぶべき物件

不動産投資に適した物件の条件は、立地や利回りから出口戦略まで数え上げたらきりがないほどあります。そのため、ここでは節税に特化した条件をご紹介します。

築22年以上の木造物件を狙う

不動産投資における節税のカギは、減価償却費をどれだけ多く計上できるか、です。そのために最適なのが、築22年以上の木造物件です。減価償却費は、法定耐用年数が少ないほど1年あたりの額が多くなります。建物の構造別の法定耐用年数は次のようになっています。

建物の法定耐用年数
構造 法定耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)
鉄筋コンクリート(RC造)
47年
鉄骨造 34年
軽量鉄骨造 19年
木造 22年

(引用:https://www.musashi-corporation.com/wealthhack/real-estate-depreciation

このように木造物件は法定耐用年数がもっとも短いため、1年あたりの減価償却費は多くなります。また、法定耐用年数である築22年を超えている木造物件の減価償却期間は、法定耐用年数(22年)×20%=4年となります。つまり、4年という短い期間で計上できるのです。

これと対局にあるのが、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)または鉄筋コンクリート造(RC造)の新築区分マンションです。このような物件は、減価償却期間が47年と比較的長期なうえに、取得費用も比較的安価なため節税効果は出にくいといえます。

不動産投資で
節税できる人・できない人

まず、そもそも不動産投資に向いている人と向いていない人から考えてみましょう。

不動産投資に向いている人

臨機応変に考えられる人

不動産投資は不労所得の代表選手なので「手に入れたら安心」と考える人が多いようです。たしかに株式などほかの投資に比べれば手放しで運用できるといえるでしょう。しかし完全に放っておいていいわけではありません。ローン金利や家賃相場などを常に注視し、臨機応変に対応するのが勝ち残る秘訣です。

長期的視野に立てる人

不動産は少なくても数年、長ければ数十年所有することで最終的な利益が確定します。このような長期的な視野に立って投資に臨むことができる人が、不動産投資には向いています。

不動産投資に向いていない人

ローンを組むことに
抵抗感がある人

不動産投資の最大の魅力は、レバレッジ効果を利用できることといわれています。ローンを利用することで少ない自己資金で高額な物件を手に入れ、最終的に大きな利益を得られるということです。しかし、そのローンを組むこと自体に抵抗感を覚える人も少なくありません。

学ぶ気がない人

不動産投資は、どのような物件を購入するか、からはじまり、空室対策、出口戦略と勉強の連続です。それが面倒と感じる人は向かないといえるでしょう。

さて、これらを前提に節税効果を十分に享受できる人をご紹介します。それは現在の課税所得が900万円を超えている人です。このような人の所得税の税率は33%を超えています。そのため不動産投資による大きな節税効果を期待できるのです。一方で900万円以下の人は、節税ができたとしても少額です。空室などのリスクを考えると、割に合わないケースが多いでしょう。

まとめ

不動産投資の節税効果は、減価償却期間を過ぎると、極端に少なくなってしまいます。したがって、節税だけを目的に不動産投資をはじめるのは得策ではありません。毎年のキャッシュフローはもちろん、出口戦略まで専門家と相談しながら総合的に判断してはじめるようにしましょう。

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