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【2025年参院選】参院選によって消費税、給付金はどうなる?
お金にフォーカスして解説!

2025.07.10 Thu

2025年7月20日に投開票が行われる参議院選挙は、議員の半数が改選されることから「政権の中間テスト」とも呼ばれています。今回の選挙では、国民の生活に直結する消費税や物価高対策が主要な論点となっており、各政党はそれぞれ政策・公約を打ち出し有権者へのアピールを強めています。ここでは各政党の掲げる内容を詳しく解説します。

目次

減税それとも維持? 気になる消費税の動向

維持派と減税派が対立構造を形成

私たちの日常生活に多大な影響を与える消費税の動向は、常に国民の大きな関心事です。特に、日本は景気回復の足取りが定まらない中、コロナ禍以降は物価高騰が家計を圧迫しており、消費税の引き下げ・撤廃を求める声が高まっています。一方で少子高齢化が進む中で年金、医療、介護といった社会保障の安定財源確保の観点から、現行税率の維持を主張する声も根強く、政治や世論を巻き込んだ対立構造が深まっています。

消費税を巡る議論は政治の主要な争点の1つであり、今回の参議院選挙でも各政党は国民へのアピールとして独自の政策を掲げています。

維持派の先鋒を切るのは、与党自民党と公明党。自民党は、少子高齢化が進み社会保障費が伸び続ける中、財源である消費税を安易に引き下げられないという姿勢を崩していません。ただし、物価高対策として国民1人当たり2万円、子どもと住民税非課税世帯の大人に2万円を加算するという給付を公約に盛り込んでいます。公明党も自民党と足並みをそろえています。

野党の多くは消費税の減税や廃止を訴えています。例えば立憲民主党は参議院選挙の公約で物価高対策を主要な政策に掲げ、食料品の消費税率を2026年4月から原則1年間ゼロにする案を明らかにしました。日本維新の会も同様で、食料品の消費税率を2年間ゼロにすると公約しています。吉村洋文代表は「必要な財源は1年間で4兆~5兆円だが、税収の上振れで対応できる」と明言しました。

一律5%の消費税減税を掲げるのは日本共産党です。必要な財源は15兆円と試算した上で、法人税率の引き上げや金融所得課税の強化でカバーするといい、将来的には消費税廃止を目指すことも明言しています。「年収の壁」の引き上げを強く訴える国民民主党は、消費税減税をただちに踏み切るかは明言を避けつつも、「実質賃金が持続的にプラスになるまで一律5%に引き下げる」と述べました。

他にも、社民党は食料品の消費税率0%の即時実現や、米政権による関税政策で雇用に深刻な影響が出た場合は食料品以外の税率も3年間ゼロ、全高齢者に月10万円を給付する最低保障年金制度の設計、れいわ新撰組は消費税の廃止や一律10万円の現金給付、参政党は消費税の段階的廃止、0歳~15歳への毎月10万円支給など、各政党が参議院選挙の公約に消費税に関するスタンスを明らかにしています。

そのほか注目されているお金にまつわる動向

社会保障費

消費税以外にも、私たちの生活に直結するお金に関する政策に注目が集まっています。とりわけ、急速な少子高齢化や人口減に直面している日本において、負担が増す社会保障費の在り方や物価高騰への対策は、国民の生活を支えるうえで極めて重要なテーマといえるでしょう。

社会保障費は健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険、介護保険料などから成り立っており、医療、年金、介護、雇用といった社会保障制度の維持に必要不可欠な財源です。しかし、近年は少子高齢化の進展により給付費は増加の一途を辿っており、制度を維持するためには保険料の引き上げ、給付水準の抑制、新たな財源の確保が不可避となっています。これに対して多くの野党は財源の確保や給付の見直しについて意見を交わしており、原石世代の負担軽減や、富裕層・大企業への課税強化を訴えており、与党は制度の持続可能性を重視した改革を進める方針です。

物価高対策

原材料価格の高騰や円安の進行などによる物価高は私たちの生活に多大な影響を与えています。特に食料品やエネルギー価格の高騰は家計を圧迫し、実質賃金の低下にもつながっています。

対策として、与野党を問わず現金給付や補助金政策を打ち出しています。継続的な支援としては消費税減税や賃上げ支援が重要視されており、企業の賃上げを促す税制優遇措置や中小企業支援、さらには食料自給率向上などの長期的な視点も提案されています。

各政党のスタンス

2025年参議院選挙 各政党マニュフェスト比較表
政党 消費税減税 外国人労働者 年収の壁 同性婚 日米・外交
自民党
維持または検討
今の程度でよい
無回答
×
反対
日米同盟強化
立憲民主党
食料品のみ減税
積極的に受け入れるべき
今のままでよい
賛成
強化すべき
日本維新の会
食料品のみ減税
引き上げるべき
推進
賛成
強化すべき
公明党
食料品は恒久的に下げるべき
歓迎
引き上げるべき
賛成
強化すべき
国民民主党
すべての品目で引き下げるべき
無回答
引き上げるべき
どちらともいえない
自主外交志向
共産党
大幅減税~廃止
歓迎
引き上げるべき
賛成
自主外交
れいわ新選組
廃止すべき
×
反対
無回答
賛成
自主外交志向
参政党
廃止すべき
×
反対
引き上げるべき
×
反対
自主外交志向
日本保守党
食料品はいずれ0に。他も減税主張
制限すべき
引き上げるべき
×
反対
自主外交志向
社民党
関税で影響があれば検討
歓迎
引き上げるべき
賛成
自主外交志向
みんなでつくる党
食料品は減税すべき
制限すべき
引き上げるべき
賛成
自主外交志向
N党
すべての品目で減税すべき
制限すべき
引き上げるべき
×
反対
自主外交志向
再生の道
税率を維持するべき
無回答
回答しない
賛成
強化すべき
チームみらい
物価高対策としては減税は不適
制限すべき
引き上げるべき
どちらともいえない
どちらともいえない

自民・公明:現行制度維持・慎重改革

主要政党はお金に関する動向について異なるスタンスを示しています。

与党である自民党と公明党は、現行の税制や社会保障制度を維持しつつ、必要に応じ慎重に改革を進めたい考えです。消費税に関しては社会保障の重要な財源であるとの認識から現行税率の維持を基本とし、安易な減税は財政悪化を招き、次世代に負担を先送りすると警鐘を鳴らしています。社会保障費に関しても持続可能な制度を目指すため、給付と負担のバランスを見直す必要性を認識していますが、明確な策については言及を避ける傾向にあります。大胆な改革よりも現実的な選択を積み重ね、課題解決を図ろうとする姿勢が鮮明です。

立憲・共産・社民:家計支援重視・減税方針

立憲民主党、日本共産党、社民党は、共通して家計支援を重視し、消費税減税を強く主張しています。消費税に関しては減税・廃止を訴えており、低所得者や子育て世帯の負担を軽減することで消費を喚起し、景気回復を優先すべきだと述べています。減税の財源不足は富裕層への課税強化や大企業への法人税の見直し、防衛費など他の予算の削減で賄うべきとしています。社会保障費についても所得が高い人が多く負担する応能負担の原則を強調し、財源は所得税の累進課税強化や富裕層に対する資産課税などの強化で確保すべきという考えです。

維新・国民民主:中間層への負担緩和+税制改革

日本維新の会と国民民主党は与野党の中間に位置し、中間層への負担緩和と大胆な税制改革を主張するのが共通点です。消費税に関しては将来的な減税や課税対象の見直しに言及する傾向があり、特定分野での消費税の非課税化、「給与が上がる経済」の実現を目指しています。社会保障費についても抜本的な制度改革の必要性があるという姿勢を見せています。

N党・無所属候補:独自提案のインパクトも

政治団体のNHKから国民を守る党は消費税率5%の引き下げを目標とすると、参議院選挙の公約に盛り込み、社会保険料の引き下げも政府に求めていくとしています。財源はNHK受信料の廃止による国民負担の軽減や、その他の歳出改革で捻出するという独自の制作を展開しているのが特徴です。社会保障費についても、受信料がなくなり国民の可処分所得が増えると不安は軽減するという見方です。

無所属候補の中には、特定の業界などに特化した減税策や金融政策の転換、AIやテクノロジーを活用した社会保障制度の効率化、ベーシックインカムの導入等、既存の概念を覆す政策を掲げるケースもあります。

まとめ

消費税に対する議論は維持派と減税派に二分し、参議院選挙でも両論が激しくぶつかっています。私たち国民は各政党の政策を理解し、自身の価値観や将来のビジョンと照らし合わせ、どの政党・政治家が望ましいか判断しないといけません。何よりも、自身の考えを政治に反映するため、投票に足を運ぶことが何よりも大切ではないでしょうか。

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